01 / THREE KEYS
まず、三語だけ。
01契約結婚
02家事労働
03対話と更新
02 / THREE MINUTES
三分で、輪郭を得る。
主人公のみくりは大学院を出ても安定した仕事を得られず、派遣契約も終わる。父の紹介で、会社員の平匡の家へ家事代行に通い、能力を評価されるが、家族の引っ越しによって仕事と居場所を同時に失いかける。そこで、家事を仕事として継続する「就職としての結婚」を提案する。
二人の生活は、夫婦なら無償で当然とされがちな家事に、業務、報酬、休暇という輪郭を与える。けれども、生活は契約書だけでは割り切れない。相手への好意、嫉妬、遠慮、自尊心が入り込み、決めた役割と実感がずれていく。条件を決めたことより、ずれたたびに話し直せるかが重要になる。
周囲の人物も、結婚だけを唯一の正解にしない。仕事を続けること、年齢差のある恋愛、ひとりで生活すること、子どもを持つことへの考えが並び、同じ幸福の型へ全員を入れない。明るいラブコメの形式を保ちながら、誰かの無償の我慢で家庭を維持しない方法を探している。
03 / STATUS
事実と留保を分ける。
確認できたこと
- TBS火曜ドラマとして2016年10月期に放送され、新垣結衣が森山みくり、星野源が津崎平匡を演じた。
- 原作は海野つなみの同名漫画、脚本は野木亜紀子、製作著作はTBS。
- 第1話では、求職中のみくりが平匡の家事代行を始め、仕事を失いそうになったことから「就職という意味で結婚する」案を提示する。
留保すべきこと
- 作中の契約結婚は物語上の設定であり、日本の婚姻、雇用、税、社会保険についての法的な手本ではない。現実の制度とは分けて考える必要がある。
- 「家事に給料を払えば解決する」という単純な結論ではない。金額では測れない感情やケア、雇用主と従業員の力の差まで描き、二人の関係も変化していく。結末は記していない。
04 / AVOID
大外しを防ぐ
「恋ダンスが流行った可愛い恋愛ドラマ」で止めると外す。人気の入口は明るいが、中心にあるのは、無償で見えなくなりやすい家事と、相手に期待を察してもらうだけでは関係が続かないという問題である。
05 / POINT
理解の要点
契約は恋愛の反対ではない。役割と負担を言葉にし、二人の変化に合わせて話し直す装置として置かれている。だからこの作品では「好き」だけでなく、交渉することが親密さになる。